6. 100円ちょうだい

私が小学4年生or5年生の頃だったと思います。

ある日、同じクラスの S君が テストで100点を取ったら、親から100円を貰えるという事を知りました。

S君ばかりでなく、クラスにそのような特権を持っている人が他にも数人いました。

結構 その頃の 流行だったのかもしれません。

そこで

シメシメ これは 良い情報を得たと思い、

家に帰り 早速 母にその話をしました。

すると いつものように

「お父さんに 聴いてみなさい。お父さんが良いって言えば あげます」

 

仕方なく

 

思い切って

 

父に

 

「当たって砕けろ!!」

 

私 「あの~ S君、知ってるよねえ。S君はテストで100点取ったら100円貰えるんだって」

父 「ふ~ん」

私 「僕も100点取ったら、100円欲しいんだけど ダメかなあ」

父 「そうか。それだったら・・・・お願いだから、100点取らないでくれ。」

なんと

親に「100点を取らないでくれ」と頼まれました。

 

更に 父は、

「S君の親は、S君が100点を取れば嬉しいのかな」

「お父さんは別にお前が100点を取っても、嬉しくもないから、それは無理だな」

「100点取って嬉しいのは、お父さんじゃない。100点取ってカッコイイのは、お父さんじゃない。お前じゃないのかなあ」と 言われました。

結局のところ、

強敵には 当たってはみたけど・・・・

やっぱり砕けてしまい、

その後も

例え

テストで100点をとっても、

絵や習字で金賞をとっても、

なんらかで1位になっても

「良かったな」とは、言ってくれましたが、

100円を貰える事は一切なかったです。

ただ

「お前なら 当たり前だな」という言葉を

付け足されました。

 

付け足された

「お前なら当たり前だな」という言葉が

結果的には100円貰うより

すごく嬉しくて

結構

今でも 忘れることができない

父とのエピソードの一つになっています。

 

 

次は 「どう思う?」を、書くつもり